紅麹問題で注目される「腎臓」が持つ重要な働き 腎臓専門医が指摘する「カビ毒」の危険性とは

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逆に水分が不足したら、再吸収される原尿が増え、体外に排出される尿の量が減って濃度が高くなります。朝、起きたばかりの尿が濃いのは、寝ている間に水分補給ができないため、原尿の水分が再吸収され、その分濃くなるためです。

また、体液のpHが弱アルカリ性だと細胞は正常に働くので、酸性に傾いているときには尿細管で電解質の量が調節されて、バランスが保たれるようになっています。

腎臓は全身の健康の要となる臓器

腎臓は体液を一定に保つために、24時間休むことなく働き続けて、全身の細胞が活動するのに最適な状態を維持しているのです。

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この尿細管が傷つけられると、体内のミネラルバランスに異常が起き、やがて尿毒症のような症状が起きます。

場合によっては尿が出なくなり、人工透析が必要なケースも出てきます。

今回のケースも何らかの毒性のある物質が、尿細管にダメージを与えて、命に関わる症状にまで発展したと推測されます。

紅麹サプリの件は、まだまだ今後の推移を見守る必要があります。ただ、ここまで被害が広がった要因として、ほかならぬ腎臓という全身の健康の要となる臓器であったため、ということは間違いないでしょう。

髙取 優二 医学博士、腎臓専門医

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たかとり ゆうじ / Yuji Takatori

1975 年生まれ。鳥取大学医学部卒業後、岡山大学病院腎・免疫・内分泌代謝内科などを経て、現在は埼友草加病院外来医長。抗加齢医学(アンチエイジング)の観点から、腎臓病を捉えなおす新たな手法に取り組んでいる。日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本抗加齢医学会専門医。『世界一受けたい授業』『林修のレッスン!今でしょ』など、人気番組の医療監修を多数手がける。

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