日本電産、「売上高10兆円」達成の現実度 シャープ元社長の片山氏は代表取締役に昇格

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株主B「永守社長が昨年から就任しているソフトバンクの社外取締役について。永守社長が持つ企業買収の経験や判断力を頼りにされての就任だと思うが、一年間社外取締役をして日本電産にどのような相乗効果があったのか。これからどのような相乗効果が生まれるのか教えて欲しい」

永守会長兼社長は「M&Aに関しては、私の方がソフトバンクの孫さんより上」と語った。

永守会長兼社長「M&Aに関しては私の方が上ですから。回数にしても成功率に関しても私の方が上だと思っている。ただ、孫さんは私がこれから出て行こうとしているIoTの分野に非常に詳しい。役員や従業員の方々も大変詳しい人が多い。そこから謙虚に学ぶ事は必要だ。社外役員になれば会社を中から見ることができるから学ぶ事が多い。また、一番大事なのは独りよがりにならないこと。特に創業者は裸の王様になりやすい。創業者同士お互い言いたいことを言い合って学ぶことで勉強させてもらっている」

株主C「最近JAXAが素晴らしい成果を上げているが、宇宙産業に進出する予定はあるのか」

「モーターで飛行機が飛ぶ時代が来る」

永守会長兼社長「すでに宇宙産業のロケットにもわが社のモーターは使われている。動いているものがあったらすべてウチのモーターが使われていると考えて間違いない。また、最近電動飛行機が発表されて、2017年には実用化するという。モーターで飛行機が飛ぶという時代が来る。列車はもちろん飛行機や船舶でもそう。今後ガソリンエンジンがなくなってすべてモーターになるだろう」

株主D「シャープ出身の片山氏は、永守社長の眼にどう映ったのでしょうか」

永守会長兼社長「シャープの問題は新聞、雑誌で色々書かれているが、日本の社会の悪いところはそこ。1回失敗すると袋だたきにする。片山氏は非常に優秀な人物。シャープ時代に失敗はしたが、1回の失敗が人生の終わりという考えるのはいかがなものか。そのようなことを言い出したらアップルのスティーブ・ジョブズはどうなのか。ジョブズは大失敗して会社を追われたが、もう一回帰ってきて今のアップルを作り上げた。そういうチャンスを日本の社会は与えなければならない。私は、片山氏を役員に選任したら日本電産の将来に大きな貢献をしてくれると自信を持って言える。世間の新聞や雑誌で書かれていることはほとんど嘘。そういう人物を私が取るわけがない」

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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