シャープ経営陣"針のむしろ"3時間の全容 株主総会で経営陣の退陣求める声が相次ぐ

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シャープの株主総会が開催された大阪市のオリックス劇場

「今の状況で社長が居座るなんて考えられない。社長は辞めたらどうか」――。2014年度に2000億円を超える最終赤字を計上したシャープ。6月23日に大阪市内で開催した株主総会は、2012年度に続く経営危機を招いた経営陣に対し、責任を求める厳しい意見が相次いだ。

総会の冒頭で役員全員が起立し、業績悪化に対して頭を下げて陳謝。その後、高橋興三社長が業績悪化の原因や今後の再建策について説明し、質問を受け付けたところ、株主からは次々と経営陣に対する責任追及の声が上がった。

質問した株主は計23人、閉会までの時間は3時間23分と過去最長となった。優先株発行に伴う資本増強に対する希薄化リスクや経営危機についての責任を問う声が多かった。ほかにも、社員のリストラに伴う技術流出への懸念、鴻海精密工業(台湾)との関係についての質問も飛び出した。興奮して何度も同様の質問を繰り返し、質問を打ち切られる株主もいた。

経営陣にとっては、まさに“針のむしろ”の3時間となったが、総額2250億円の資本増強や資本金の減額、取締役13人の選任など、計6議案はすべて承認された。今後は、結果で株主の信頼を回復していくことが求められる。株主と経営陣との主なやり取りは、以下のとおり。

中小企業になるということではない

――資本金を5億円に減資するが、それは中小企業になり(税金を払わず)日本のインフラを無料に使って業績を回復しようという、姑息な考え方だ。新聞報道では、2014年度に続いて2015年度も2000億円近くの赤字が出るという。株主をバカにするのも、いい加減にしてほしい。

資本金を5億円に減額するが、中小企業になるということではない。したがって、日本のインフラを無料で使うわけではない。今後も大企業として運営していく。また、今期の赤字額については弊社から何も発表しておらず、そういう事実はない。

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