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「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説

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狭義の麹菌の定義から外れた「アスペルギルス フラバス」という種は、アフラトキシン、オクラトキシンなどのカビ毒を出すことで知られています。しかし、このフラバスは、日本の醸造食品には用いられません。日本醸造学会が定めた狭義の麹菌は、カビ毒を生産しないことが遺伝子レベルで確認されています。

なぜ、オリゼーなどがこれらのカビ毒を出す能力を持たないのか、つまり、人間が使いやすい菌になったのか、あるいは、自然界から人間がどのようにオリゼーなどを選び取ったのかについてはさまざまな説があります。

シトリニンを生産する能力を失った菌株を使用

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そして、紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています。

なお、日本で醸造食品に使われる狭義の麹菌にあたる、「アスペルギルス オリゼー」などからもシトリニンが生成されたという報告はありません。

記事公開時点において、今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています。

日本で扱われている「麹」「紅麹」そのものが問題となっているわけではない点に注意が必要です。

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