思考が停止した部下に「責任感」を自覚させるには 「これをやって」浅い頼み方が組織をダメにする

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決断する人と実行する人を分けていた産業革命期では、服従が生まれるのは自然な成り行きだった。

しかし、いまの時代に求められているのは、連携から生まれる「責任感を持った取り組み」だ(連携をとることについてはこちらの記事も参照)。

責任感を持った人の言い方はどう変わるのか

責任感を持って取り組む人の言葉には、業務を遂行するという決意に加えて、一定条件を満たした場合や、一定の業務を行ったあとに意思決定や判断のモードに入るタイミングが含まれる。

次のような感じだ。

◆「プロジェクトの次の段階を始めようと思います。その次をどうするかを判断するための中断は10日後を予定しています

◆「選択肢1で進める予定です。15日したら一度中断して振り返ります

◆「次の生産ラインを稼働させます。1万ユニット生産したら、会議を開いてデータを検証します

また、チームのメンバーに責任感が生まれたかどうかを確かめたければ、次のように問いかけるとよい。

◆「実行の計画はどうなっている?

◆「実行業務に戻る予定はいつ?

◆「次に中断して進捗を確認する前に、業務の遂行にどのくらいの時間をかける?

◆「このプロジェクトでは、何をきっかけにして次の中断をとるつもりだ?

◆「その仮説を実行に移すときはどうやって周知する?

◆「この活動はいつまで有効か?

「どう始めようか? 」と聞くことの効果

「何」や「どう」という言い方を使った質問も効果的だ。

◆「どう始めようか?

◆「素早く安く試すにはどうすればいい?

このように尋ねると、尋ねられた側は障害や限界について心配するのをやめて、限られた時間とリソースで何ができるかと考えるようになる。

つまり、できないことからできることへフォーカスが移るのだ。

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