「一期一会」の理解度にマネジャーの実力差が出る できる上司は自然とやっている仕事依頼のコツ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ところで「一期一会」の意味について勘違いしている人も多いようだ。実は私もその一人であった。ある作家から教えられてようやく本当の意味を知った。一期一会というのは、一生に一度しか会えない人との時間を対象にしているわけではない。毎日顔を合わせる相手にも「一期一会」は当てはまるということを。つまりお客様に対してはもちろんのこと、家族にも、上司や部下との間でも「一期一会」を意識して接しなければならないのだ。

部下への依頼も「一期一会」の精神で

そう考えると、部下を指導する際も「一期一会」の教えをしっかりと意識すべきだろう。部下と接する1回、1回を「二度とない大切な時間」として捉えるのだ。

しかし、「一期一会」をまったく意識していないマネジャーは、部下への依頼一つをとってもその態度は表れる。

たとえば、

「わからないなりにやってみて」

「まずは、自分で考えて手を動かして」

こんな曖昧な表現を使うマネジャーがいるが、これはマズい。すべての機会を大切にする「一期一会」の教えに背いていることになる。部下の立場からすれば、どう取り組むことでマネジャーが求める成果を出せるのか無駄に迷うことになり、結果的に「タイパが悪い」指示だと受け止められるだろう。

これは「ダメだし文化」に染まってきた昭和世代の悪しき伝統だ。相手よりも自分のほうが優位だということをわからせるために、

「何事もまずは経験だ」

と言ってやり方を教えず「とりあえずやってみろ」「まずは手を動かせ」と指示をする。そして失敗させ、一度恥をかかせてから、上から目線で仕事を教えるというやり方だ。

次ページ部下と一緒に仕事の「見通し」を立てる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事