帽子とカプチーノと○○、実は同じ語源だった! 語源を探ると見えてくる意外な単語の関係性

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なぜ教会の歌が「無伴奏」と結びつけられたかというと、ロマン派時代の人々が中世の教会音楽は無伴奏だったと想像したからです。実際は、15世紀や16世紀の宗教的合唱曲でも楽器を伴うこともありました。

chapelや「アカペラ」と同じ語源を持つ日本語に「雨合羽」などの「合羽」があります。これはポルトガル語capa「外套(がいとう)」が語源で、capaはラテン語cappaにさかのぼれます。

カプチーノの語源となった修道会

ポルトガル語のcapa「外套」から、なにかひらめいた方もいるのではないでしょうか。

そうです。英語のcape「ケープ」も同じ語源です。

さらに、ラテン語cappa「外套」は英語のcap「帽子、キャップ」の語源でもあるのです。それだけでは終わりません。「カプチーノ(cappuccino)」の語源でもあります。

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まず、cappaからイタリア語のcappuccio「頭巾」ができあがります。

イタリアでは1525年、聖フランチェスコ会からとある修道会が分かれて創設されます。その修道会は、頭巾のついた茶色の修道服が特徴的なので、cappuccio「頭巾」から「カプチン修道会」と呼ばれました。

後に、カプチン修道会の修道士(イタリア語でcappuccino)の茶色の頭巾に色が似ていることから、エスプレッソに泡状のミルクを加えた飲み物が「カプチーノ」と呼ばれるようになりました。

「礼拝堂」から始まった語源の話が、キリスト教を通じてカプチーノに行きつきました。本当に語源は、探ると面白いです。

ラテン語さん ラテン語研究者

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らてんごさん / Ratengosan

ラテン語研究者。栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部欧米第一課程英語専攻卒業。ラテン語・古典ギリシャ語の私塾である東京古典学舎の研究員。高校2年生でラテン語の学習を始め、2016年から X(旧Twitter)においてラテン語の魅力を毎日発信している(アカウント名: @latina_sama)。研究社のWEBマガジンLinguaにて隔月連載中(シリーズ名: 名句の源泉を訪ねて)。ラテン語を読むだけでなく、広告やゲームなどに使われるラテン語の作成や翻訳も行っている。

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