「ギスギスした空気」消し飛ぶ最強の会話サイクル 部下の「主体的」な相談を引き出す上司のあり方

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メッセージを繰り返すことで少し雰囲気が変わってきたら、次にすべきことは「ルール」を徹底させるプロセスである。組織の目的が「あり方」とすると、ルールは「やり方」である。

存在するのに、守られていないルールは「守れ」とリーダーが言えばいい。もしも未整備なルール、見直すべきルールがあるなら、メンバーたちと話し合って決めていく。「ルールを作っても、どうせ守られない」と冷めた目で見るメンバーもいるかもしれないが、リーダーは気にせず、淡々と進めるべきだ。まだまだ「空気」が発展途上の段階だからだと受け止めればいい。

つまり、リーダーは理念に基づいたルールを設定し、それを守る文化を築くことで組織を導くのである。

ギスギスした空気にしないコミュニケーションとは?

最後にコミュニケーションについて解説する。コミュニケーションは潤滑油の役割になる。

「メッセージ」と「ルール」を意識することによって、組織は変わりはじめる。しかし「メとルのみ組織」だと、ギスギスした空気が漂うことが多い。そこで、定期的にコミュニケーションをとる機会を作ろう。

ポイントは3つである。

(1)単純接触
(2)共時性
(3)自己開示

業務のためのコミュニケーション(用談)ではなく、業務とは関係のないコミュニケーション(雑談)を積極的にできるよう、ルールと仕組みを整備する。

これも「場」を提供するだけで、自主性に任せてはいけない。必ずルールを決める。お互いの関係構築には「単純接触」が大事である。濃厚接触の「社員旅行」「運動会」「飲みニケーション」でなくとも、「挨拶運動」「他部門とのランチ会」などを定期的にやることでも十分だ。

また、同じ時間を共に過ごしていると関係が構築されやすい。この心理効果を「共時性効果」と呼ぶ。メールなど、時間差のあるコミュニケーションは共時性効果が働かない。実際に会ったり、メールよりは共時性効果を期待できる「社内SNS」の利用をお勧めする。

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