「ギスギスした空気」消し飛ぶ最強の会話サイクル 部下の「主体的」な相談を引き出す上司のあり方

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仮に部下が4人いて、全員に「なんでも聞いて」と言っているのにもかかわらず、1人だけが「なぜか聞けません」と言っているのであれば、その1人との関係性に問題があるのかもしれない。

しかし部下4人のうち、ほぼ全員が「なぜか聞けません」と言っているのなら、職場の「空気」の問題だ。そしてその空気を変えられるのは上司しかいない。

では、どうしたら組織の「空気」を変えられるのか?

「空気」を変えるメルコサイクル

組織の空気を変えるために、私は「メルコサイクル」という手法を提唱している。メルコサイクルの「メルコ」とは、

・メッセージ
・ルール
・コミュニケーション

の頭文字をとった造語である。それをこの順番で回していくことを「メルコサイクル」と名付けた。多くの場合、「空気」に問題がある組織は、以下の3つのうちのどれかにあてはまる。

(1)「メのみ組織」

「メのみ組織」とは、リーダーが「メッセージ」しか出さない組織である。リーダーは組織の目的をきちんと理解している。だから、その目的を果たすために貢献しないメンバーを見ていると黙っていられない。

しかし「メのみ組織」のリーダーは、「もっと生産性を高めていこう」「今期こそは意識改革していこう」といったスローガンを唱えるだけで、具体的な行動指針を示さない。このため、メンバーは自己の判断で行動するため、当事者の主体性や意識の高さによって、メンバーの動きや成果にばらつきが出てくる。

(2)「ルのみ組織」

「ルのみ組織」とは、組織の目的達成に不可欠な情報共有ルールや仕組みがあるものの、形骸化し、守られていない「空気」が支配する組織である。質問一つで、この実態は浮き彫りになる。

「このケースでは、情報を誰にどう共有するのか決まっていますか?」
「決まってはいます。みんな知ってるとは思いますが……。いや……最近入った新人は知らないかもしれません」

つまり、ルールはあってないようなもの。理由は単に「やらなくても許されるから」である。組織の目標に焦点を合わせている人、つねに組織の成果を出そうとする人にとっては不満である。心の底では「ルールがあるんだから、みんな徹底してほしい」と思っているからだ。

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