「ギスギスした空気」消し飛ぶ最強の会話サイクル 部下の「主体的」な相談を引き出す上司のあり方
「コのみ組織」とは、コミュニケーションだけある組織だ。時代のキーワードを先取りし、上司と部下との「1on1ミーティング」、組織横断型の「飲みニケーション」「社員旅行」「社内座談会」など社員が仲良くなるような施策を次々と取り入れる。役職や部署という垣根を越えてコミュニケーションが活性化しているので、表面的な「空気」はとても良くなる。
しかし「コのみ組織」の特徴は何らかの要因で業績が良く、恵まれた環境に依存していることである。そのため外部環境が変化し、ひとたび業績が落ちはじめると、組織が空中分解することもある。組織とは名ばかりで、仲良しグループになっていることが多いからである。
「あり方」と「やり方」を伝える
まずやるべきは、リーダー(上司)が組織のメンバーに対してメッセージを発信することである。1回や2回ではなく、何度も何度も、「しつこい」「くどい」と思われるほどに続けるのだ。
メッセージには「あり方」と「やり方」の2種類があるが、まずは「あり方」を示すこと。「あり方」とは、「あるべき姿」「ありたい姿」である。組織としてこうあるべきだ、ありたい、とリーダーは何度も何度も伝える。これがいわゆる「組織目的」に直結する部分である。「目標を絶対達成する組織にする」といった抽象的なメッセージでも、「離職率の低い会社に変えていこう」といったより具体的なメッセージでもよい。いずれも「あり方」である。
そして最も重要なことは主語を「私」にすることである。「私は、目標を絶対達成する組織にする」のような「アイメッセージ」である。「空気」の良くない会社のリーダーは、「あなた」「あなたたち」を主語にいわゆる「ユーメッセージ」を発する。「もっと意識改革をしていこう」「もっとコミュニケーションを密にしてくれないか」と。
主語が「私たち」も良くない。「みんなで変えよう」というメッセージを発している以上、「私だけでなく、みんなにも責任があるよね?」というメッセージを出しているようなものである。相手の考え方を変えたいのなら、まずは自分を「変える」こと。この手順を守るべきである。
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