キヤノンの「トップ技術者」はセンサー開発の35歳 「超高感度SPADセンサー」誕生の経緯は?

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若手でも、自ら手を挙げて、しっかり勉強して、筋の通った説明をすればチャンスを与えてくれる。本当にその通りだったと感じています。

他社がやってないことをやりよりよい性能を出していくことは、キヤノンが組織としてこだわっている部分で、すごくいいなと思います。

最近は技術者以外の方々とも接点ができるようになりました。技術に近いところでいうと、知財や法務の方々が高い専門性を持ってサポートしてくれているおかげで、自分たちは時間ができて、技術を磨くことができています。

SPADセンサー搭載の超高感度カメラ
SPADセンサーを搭載した超高感度カメラ。国境監視などで活躍が期待されている(写真:キヤノン)

例えば海外留学をした際にも、大学とキヤノンの間で共同研究をする場合には契約をどうするのか、知的財産をどう扱うのか、といったところでサポートしてもらいました。

若手のモチベーションになれば

──「トップ・サイエンティスト」として会社から期待をかけられています。どう感じていますか。

まずは、全力で期待に応えたい。プレッシャーもあるが、楽しく夢を見ながら、頑張って期待に応えたい。

個人的にはトップ・サイエンティストの認証はありがたく思っています。社内的に知ってもらうことによってサポートが受けやすくなっている面もあるかもしれません。

これからも制度が広がって、若手の技術者のモチベーションになっていったらいいなと思います。私自身も若手の目標になれるような技術者になっていきたいです。

吉野 月華 東洋経済 記者

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よしの・つきか / Tsukika Yoshino

精密業界を担当。大学では地理学を専攻し、微地形について研究。大学院ではミャンマーに留学し、土地収用について研究。広島出身のさそり座。夕陽と星空が好き。

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