
集団の常識に逆らってみる
人が周囲の行動を模倣する傾向は、さまざまな研究で確認されている。その根底には、周囲に受け入れられたい、仲間外れになるのは避けたいという願望があるようだ。
これをマーケティングで利用するなら、大勢に選ばれている商品です、と伝えるのがよいだろう。実際に多く活用されているテクニックだ。私の前著でも大幅に紙幅を割いて解説している。
しかし、場合によっては集団の常識に逆らってみせることが得になる。常識や規範から外れる行為は社会から不賛同の扱いを受けるリスクがあるが、むしろそれを逆手に取るのだ。
この点では、社会的に高いステイタスをもっている人ほど、慣例からの逸脱に踏み切るハードルが低い。評判や知名度という資産をすでに稼いでいるので、多少のコストは痛手にならないからだ。
ハーバード・ビジネススクールのフランチェスカ・ジーノがこのテーマで研究を発表している。ジーノは2011年に、消費者行動研究学会(ACR)のカンファレンスを利用して調査をした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら