子の「一番」を褒めるとやる気をなくしかねない訳 比較の褒め方は比較対象が変わると容易に結果が変わる

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また、親にとってもこぼさないでいてくれた方が、掃除も洗濯も楽になるという2つ目のメリットも潜んでいます。

良かれと思って潰してしまう「好き」の気持ち

「あなたは本当になんでもできるわねぇ、すごいわ! かけっこもクラスで1番だったから、次の走り幅跳びも1番になれるね。楽しみにしてるね!」

運動が得意な息子を褒める母親。一見素敵な親子関係に思えます。

でも実はこの褒め方、長期的に見ると自信を喪失させ、精神的な発達に悪影響を与えてしまう可能性があるのです。

母親は子どもが喜ぶと思い、悪気なく一生懸命褒めていますが、実はこんな問題点が潜んでいます。

・かけっこそのものが好きで頑張っていたはずが、母親からの「1番ですごい」「楽しみにしている(期待している)」の言葉で、「負けるところを見られてはいけない」「がっかりさせたくない」「見せたくない」と感じるようになる
・負けそうな相手とは勝負しなくなる
・負けてしまった場合、母親に隠すようになる

このように、本来はかけっこが大好きだったはずの息子の「好き」も奪ってしまうことになり、「母親の期待に応えたいから頑張る」といった本来の目的とは異なったものに変化してしまうのです。

「自分で考える力」を育むために大切なことは、子ども自身が「自分がどうしたいのか」を考えられること。すべてのベースはここにあります。

「ママが喜ぶから」、これももちろん立派なモチベーションにはなるのですが、一時的もしくは短期的な動機づけになる可能性が高く、「自分で考える力を育む」という点には合致しないのです。

自分で見つけた好きの気持ちや、自発的にやりたいと感じていたことが、母親からの愛の込もった何気ない一言で消されてしまうとしたら、こんなに残念なことはないと思いませんか?

子どもをほめる母親
(画像:『自分で決められる子になる育て方ベスト』より)
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