子の「一番」を褒めるとやる気をなくしかねない訳 比較の褒め方は比較対象が変わると容易に結果が変わる

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羞恥心や罪悪感を使うと、子どもをコントロールしやすくなるように思えてしまいます。「警察に捕まっちゃうからね!」「鬼が来るよ!」といった脅しを使うパターンも同様です。その場では言うことを聞いてくれることも多いでしょう。しかし、長期的には悪影響の方が大きくなってしまい、自分で考える力を奪うことにつながります。

この順番で思考力がぐんぐん伸びる

それでは、一体どうするのがいいのでしょうか。

自分で考える力を育てるのに必要なのは、次の3つといわれています。

①共感
②説明
③自己決定

今回のレストランでの子どものふるまいに合わせて考えてみましょう。

1 共感

まずは、子どもは大人のように器用に食器を使って食事ができないこと、それは年齢とともに改善することを理解します。

例:「レストランのご飯はきれいに切り揃えられていて、ママがお家で切った野菜よりも細かいからこぼしちゃうよね」

2 説明

次に説明です。子どもにとっては難しくても、食事をこぼしてほしくない理由、こぼさない方がいい理由を説明します。

例:「でも、せっかくみんなでご飯を食べにきているから、こぼさないように努力したいね」

3 自己決定

最後は、子ども自身が行動を決められるように選択肢を提示しましょう。

例:「こぼさないで食べるためには、どうしたらいいかな? エプロンしてみる? それとも小さいお皿を使ってみようか?」

子どもは小さなことでも選択肢があると「自分で決めた!」ということに納得感と満足感を覚えます。ですから「自分で決めた!」と感じられる小さな「選択と決定」を各所にちりばめることで、考える力をつける訓練になっていくのです。

「小さなお皿に取り分けて、もう少し自分の近くに寄せたらこぼれなくなるかもしれない」ということを自分で選んで実行する。その上でこぼさずに食べられたという小さな成功体験まで一緒についてきて、いいことずくめですよね。

食事する親子
(画像:『自分で決められる子になる育て方ベスト』より)
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