インバウンド向け「3000円」喜多方ラーメンの真相 「三大ご当地ラーメン」なのに実は衰退の危機?

✎ 1〜 ✎ 54 ✎ 55 ✎ 56 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

筆者は今回、都内から新幹線と在来線で喜多方に向かった。会津若松駅に昼前に到着し喜多方行きの磐越西線に乗ると、車内のお客さんはみんなこれから食べに行くラーメンの話をしていた。

しかし、喜多方で取材が終わって夕方4時頃街を歩いてみると、ほとんどのラーメン店は既にシャッターを下ろしていて、街には人がまばらだった。パンフレットを見ながらラーメンを食べ歩いている観光客が、閉店してしまった店の前で困っている姿が印象的だった。パンフレットに載っている時間どおりに営業していないのである。

その夜、地酒の飲めるお店で宴会をし、ホテルまで帰ろうとタクシーを呼ぼうとすると、夜はタクシーが走っていないという。仕方なく雨の中、濡れながらホテルまで歩いて帰ったのである。

喜多方らーめん
喜多方ラーメン衰退の背景には、もっと大きな、町全体が抱える課題がある(筆者撮影)

ホテルに戻ると「夕方以降はタクシーの配車予約が受けられないのでご注意ください」という貼り紙が貼ってあった。これが今の喜多方の状況なのである。

復活を目指し、江花さんが目指すものとは?

今回取材した、「活力再生麺屋 あじ庵食堂」の外観(筆者撮影)

そんな中始まった今回の企画。江花さんが目指すものは何か。

「注目されれば人は集まるだろうという考えは甘く、今までと同じことをしていてはダメです。この取り組みを始めるにあたって我々が大事にしようと思ったのは地域密着であること、歴史にしっかりと繋がるストーリー性があることです」(江花さん)

次ページ「喜多方ラーメン」の枠の中で新たな一杯を表現
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事