そのために大事なのは、全く見たことのない新しいラーメンを作るのではなく、「喜多方ラーメン」の枠の中で表現することだ。
そこで、本来の豚ベースの喜多方ラーメンのスープに、地元産のふくしま会津牛を使ったラーメンを作ることにした。これを会津塗の漆器で提供し、特製の箸は持って帰れるようにした。
会津に住んでいる中国人や台湾人に試食してもらい、海外向けの味に寄せすぎず、日本の文化を伝えられる一杯を作り上げた。
喜多方ラーメンの豚のスープをベースに、「夏黄金」「ゆきちから」で作った特製麺、会津牛チャーシュー、会津牛ワンタン、ナルト、ノリを合わせる。別添えで会津牛そぼろ、地元産の春菊のおひたし、白髪ネギが提供される。
まろやかな醤油と豚の旨味溢れるスープに、極太縮れで短めな麺は小麦のいい香り。ここに会津牛がとにかく合う。少しずつ牛の脂が溶け出して甘みを増す。極上の名に恥じぬ一杯だ。
こんなに豪勢に仕上げても喜多方ラーメンらしさを感じるところが凄い。やっぱり改めて喜多方ラーメンの奥深さを知ることができる。
地産地消の一杯までは遠い道のりだが…
この事業はまずは1年間の期限付きだ。
初年度は次に向けていろいろ試しながら正解を模索していく。ラーメン店だけでなく、製麺所、醤油店、農家、漆塗りのお店など皆がこの一杯に入れ込んで、今後に繋げようと協力している。
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