第4回ダイバーシティ経営大賞・パネルディスカッション--受賞企業担当者に聞く経営戦略としてのダイバーシティ

 

グローバル化という経営戦略を例に考えてみましょう。今、多くの企業にとって、「グローバル化」が重要なキーワードとなっていますが、このグローバル化の進展ということを考えると、いろいろな事象が起きてきます。異なる企業文化を持つ会社を買収することもあるでしょうし、アライアンスを組むこともあるでしょう。あるいはグローバル規模で多様な知識やスキル、経験を持った人材をどのように活用するかという問題も出てきます。こうした多様な人材をどのように活用するかという施策を考えなければなりませんし、あるいは人材ポートフォリオの見直し、大規模な人材の再配置などもあります。このように表層・深層の両面でダイバーシティが必要になってくるでしょう。

グローバル化が進むと、国を超えたレポートラインが多く発生してきます。国を超えたレポートラインをリードできるダイバーシティリーダーを選抜し、育成するためにはどうしたらいいのでしょうか。そのためには、まず国を超えたチームが必要であり、そのチームをまとめるための施策が必要ですが、このことをダイバーシティの中で考えていかなければなりません。人事の施策だけではなくて、ライン間のコミュニケーション、あるいはラインの関係が円滑に進むような企業文化をつくるための施策もダイバーシティの中で考える必要があります。

たとえば、海外進出先での優秀な人材の獲得や定着、モチベーションの維持はとても難しい問題です。どのような会社も、本社が最もエンプロイヤーブランドが強く、進出先で同じような優秀な人材を採用できるかどうかというと、実際は難しいものがあります。こうしたときにはダイバーシティの推進が大切で、これを具体的に支える仕組みや施策、マネジメントシステムと運用、社内の風土などいろいろなものも必要になってきます。もちろん本社の内なる国際化ということも必要です。

経営戦略では、事業ポートフォリオの見直しや新規分野への参入・撤退などもよく行われています。特に俊敏な経営が求められている現在、皆様の会社でも、部分的なものも含めて、合併・買収・売却など多くのことが行われているのではないかと思います。そういう中で、競争力の維持、さらに成長のためにはダイバーシティは非常に大きなキーワードになってきているわけです。皆様の会社でも、ぜひ自社独自のダイバーシティのストーリーをつくってみてください。具体的なストーリーをつくることによって、組織のトップから、事業部長、役員、部長、社員など全員が納得し、「よし、やってみよう」と本気で取り組むことができるように、ダイバーシティの推進者の皆様には頑張っていただきたいと思います。

○司会
ダイバーシティを取り入れたことによって直接ボトムラインに響くような成果が定量的に得られるかどうかというのは大変難しい問題です。KPIなどを導入して地道に成果を測定していくということが必要だと思います。それでは、受賞企業の皆様が成長経営戦略としてどのようにダイバーシティに取り組んでいるのか発表していただきます。

 

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