店は全壊でも被災地支援、シェフたちの「真意」 能登半島地震、シェフ仲間の「横のつながり」

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石川県の被害に寄り添おうとする飲食店関係者たちの取り組みも多く生まれている。

福井県では、老舗の有名飲食店のシェフたちが支援団体「ツナグフクイ」を結成、1月28日には石川県七尾市の避難所で炊き出しを行い、福井の県産食材へしこを用いたおにぎりなどがふるまわれた。

また富山県でも、飲食店経営者が寄付を募り、そのお礼の品として自慢の料理を詰めた料理ボックスを「フッコウメシ」と名付けて1個5000円で販売、その売り上げを石川県の飲食店に寄付することを予定している。

「フッコウメシ」は利賀村にあるレストラン「レヴォ」の谷口英司さんら9軒の富山県内の飲食店が中心となって行う支援活動のひとつとして、今後も毎月1日に富山県内で同様の販売を行う予定だ。

石川県と東北の人々のきずな

また、みずからの店舗の営業をいったんストップして、被災地に入っているシェフもいる。金沢市でフレンチレストラン「エクティル」を営むシェフの川本紀男さんだ。

炊き出しをする川本紀男さん
炊き出しをする川本紀男さん(写真:川本紀男さん提供)

被害は軽微だったが、川本さんは2月末まで2か月間店を閉めていた。現在も週に2日、金沢から珠洲へ車で往復し、炊き出しを行っている。

金沢から珠洲までは片道3時間以上を要する、サポートも困難な地域だ。だからこそ、まだサポートの手がじゅうぶんに届いていない地域が多い。

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