店は全壊でも被災地支援、シェフたちの「真意」 能登半島地震、シェフ仲間の「横のつながり」

✎ 1〜 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 29
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ワールド・セントラル・キッチン(World Central Kitchen; 略称: WCK)は、2010年に料理人ホセ・アンドレス氏によって設立された、アメリカに本部がある非営利非政府組織だ。

これまで2010年ハイチ地震をはじめ、世界各地の災害地にスタッフを派遣してきた。彼らは災害地の料理人にコンタクトを取り、料理人が必要な食材や調理器具などを地元から調達することで、災害地を支えてきた。

今回の能登地震で、WCKのスタッフが輪島の被災地をサポートするためにコンタクトを取った相手が、池端さんだった。

炊き出しの様子
炊き出しの様子(写真:池端隼也さん提供)

「僕らが例えば、1日1500人分で鶏肉30キロ欲しい、キャベツ、ニンジンこれだけ欲しいと言ったら、翌日の朝にはトラックに積んで来てくれました。

すごいなと思ったのは、彼らが、自分たちが主導するのではなく、僕らをサポートするという立場に徹していたことですね。僕らが炊き出ししようという気持ちを尊重してくれるサポートでした」(池端さん)

食材管理や衛生環境整備の難しさ

料理人であるとはいえ、彼らも災害復興のプロではない。

さまざまなものがバラバラに届くその食材の確認、保管、管理には大きな労力を必要とする。それを専門に行う人がいないことが、日々の炊き出しそのものよりも苦労した点だったという。

「ノロウイルスが出た避難所があったという話を聞いて、それがここであったらまずいと思ったんですよね。

僕は途中から、衛生環境の整備とか、食事する環境作りとか人の配置とかの仕事のほうをずっとやっていました。衛生面に気をつけることに関しては、僕が料理人だからできたというアドバンテージはあったと思います」(平田さん)

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事