汚部屋育ちの40代が苦手な「掃除」と和解するまで 植え付けられた苦手意識はあえて「克服しない」

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あわてて「月に1度はかけてるんだけど……(とっさのウソです。月に1度も掃除機をかけたことはありません)」と言い訳したら「普通、毎日かけるやろ」と呆れ顔で言い放たれました。

そのときの衝撃といったら!

それまで、私にとって「掃除機とは灰皿をこぼしたときに、たばこの灰を吸い込むなど、やむにやまれぬときだけ年に数回使用する秘密兵器のような存在」だったのです。なんということでしょう。普通の家庭では毎日掃除機をかけているなんて!!

そしてその後、我が家が汚部屋であることをクラスメイトに言いふらされ、しばらくの間は仲良しグループの子たちに無視されたりクスクスと陰口を言われたりして、恥ずかしい思いをしたのでした。

とはいえ、汚部屋で育った私にとって、家が髪の毛まみれの状態こそが普通のため、家が汚いことに対してのストレスはゼロで、「バレたら、いじめの糸口になりそうだから、あまり人は家に呼ばないほうがいいな」という学びを得たといった程度のものでした。

掃除機が母親の不機嫌のトリガーになる

太陽の塔のフィギュア
我が家はフィギュアなど複雑な形状のものが多いため、ハタキではなくペンキ用のハケでほこり取りをしています(筆者撮影)

中学、高校と成長し、成長して友達が増え、いろいろな家に遊びに行ったり、思春期に入って身なりを気にしたりするようになると、室内や洋服が髪の毛まみれなことに不満が出てきます。

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