相手にワンランク上の要求をする際の依頼のコツ 「相手の気持ちを巧みに利用する」頼み方がある

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
安請け合いをする部下
(イラスト図版:山崎平太/ヘイタデザイン)

希望通りワンランクアップの要求が満たされたなら、大いに感激し、激賞してあげることを忘れないようにしましょう。

まとめ 「よい人物像」のレッテルを人は維持したくなる。

刺激を与えて認知を揺るがす

■ゼイガルニク効果、カラーバス効果、カクテルパーティー効果、カリギュラ効果

人の認知は、ちょっとした刺激でさまざまなバイアスが生じます。

テレビドラマを夢中で鑑賞中、誰かに中断されると物語のその後が大いに気になります。ドラマの佳境で「次回に続く」となると、次回も見逃せなくなります。

問題を解いている最中に制限時間がくると、後あとまで、その問題が気になります。どうすれば正解にたどり着けるのか、あれこれ考えてしまうのです。

突然恋人から別れを告げられると、その恋人を忘れられずに、ストーカーになるケースもあります。交際の突然の中断でプライドを傷つけられたからです。

人は達成できた事柄よりも、達成できなかった事柄の記憶が執拗に残ります。途中で挫折したり、中断させられた場合も同じです。これが「ゼイガルニク効果」です。達成できなかった事柄への執着を招きます。意向が制限されて「心理的リアクタンス(抵抗・反発)」を起こしたのです。

この「ゼイガルニク効果」は人の気をそそるのに適しています。

マーケティングでは、電子書籍を途中まで試し読みさせて、続きは有料登録しないと読ませないようにしたり、短いテレビCMで面白い動画を見せておき「続きはWebで」などと、告知して終わるテクニックでも使われています。

デートの別れ際に「大事なことを伝えたいけど、それは今度会った時にね」などと告げられると、早く聞きたくて次回のデートが待ち遠しくなります。ちょっとした「中断の設定」で、相手の気を引く効果は強化されるのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事