家族社会学者が語る「多様化する結婚のカタチ」 今や「個人化の時代」で「選び」続ける人生に

「離婚」「別居」に「卒婚」も
比較的最近出てきた概念として、「卒婚」というものがあります。
結婚生活を営み、月日が経ち、恋愛感情も関係性も薄れてきた。しかし、だからといって、「離婚」や「別居」という選択肢も違う。
表面上は「結婚」状態を維持しながらも、互いの拘束性を解消し、それぞれガールフレンドやボーイフレンドと恋愛しても構わないという形での「卒婚」です。
私の周囲でもチラホラ「卒婚」のワードが出始めていますし、人生相談ではこんなケースもありました。
その男性は奥さんが浮気をし、浮気相手と別れる気がないので、いったんは「離婚」を話し合いましたが、まだ幼い子どものことを考え「離婚」は先送りにする決断をしたそうです。
結果的に、「結婚」は解消しないものの、妻とその彼氏の交際を認め、子の成長を待つという結論に至ったそうです(読売新聞朝刊2022年8月19日付)。
もっとも両者が「卒婚」に完全同意しているならばいざ知らず、片方は悶々としながら、「自分も浮気をすればいいのか」と悩むのは少々痛々しいものがあります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら