「皆婚→難婚→結婚不要」社会に至る深刻なワケ 結婚しない若者の増加は中高年世代に責任も
「皆婚」社会から「難婚」社会へ
「皆婚」社会は、「男皆正社員」社会と、二人三脚でした。
男性が「働いて家族を養える」収入があるからこそ、多くの人が安心して「結婚」を望み、手に入れることができたのに、「働いても、家族を養えるほどの収入が得られない」経済状態では、「結婚」は難しくなります。
雇用が安定している中間層が没落すること、つまり日本が非正規雇用社会へ移行したことで、「皆婚」社会もまた成立不可能になってきたのです。
3カ月契約、半年契約、1年契約でしか職を確保できない人が、どうして3年後、5年後、10年後の未来を安定的に予想できるでしょう。
しかも、「終身雇用制」は崩れているように見えるのに、「新卒一括採用」は崩れませんでした。大学卒業時が就職氷河期に重なってしまった2000年前後、日本には膨大な非正規雇用者が生まれました。
間の悪いことに、彼らはちょうど人口の多い「団塊の世代ジュニア」でもありました。本来ならば、この世代が結婚適齢期になったら、大量に結婚し、大量に出産するはずでした。当時の未婚者の結婚希望率は、男女とも90%以上だったのです。
少なくとも彼らが結婚し、それぞれ、2人ほどの子どもを産み育てていれば、日本の少子化はまだしもスピードを緩めることができたはずです。
ところが、彼らのかなりの部分が大学卒業時から10年を経ても、正社員になることは難しかったのです。非正規雇用は、その雇用形態が不安定なだけではなく、継続したキャリアアップが望めないという弱点とセットになっています。
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