「身近な人とは恋愛できない」若者たちの事情 現代人の結婚と出産を阻んでいる3つの要因

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(写真:mits/PIXTA)
世の中には2通りの人しかいない。「子のある人」と「子のない人」。が、子がある理由も、ない理由もさまざまなのにもかかわらず、それについて互いに感想でも疑問でも意見でもざっくばらんに語らうことはない。いや、しないほうがいいのかもしれない。
どんな生き方を選ぼうと、どこにたどり着いていようと、それぞれの選択やあり方は尊重されていいはず。本連載では阿古真理氏が多様な角度から「産む・産まない」「持つ・持たない」論に迫る。第4回は『結婚の社会学』などの著書がある家族社会学者で慶応義塾大学の阪井裕一郎准教授に、若者が子育て以前に結婚や恋愛に対して消極的になっている傾向について聞く。

「出会い認定できない」ケースが多い?

現代の日本で、子どもを産み育てるにはまず結婚、となる人が多い。しかし、現代の若者には、結婚自体のハードルが高くなっているようだ。

実際、子ども家庭庁が2024年11月に発表した「令和6年度『若者のライフデザインや出会いに関する意識調査』」(15~39歳の男女が対象)では、未婚者の63.8%が結婚したいと回答しているが、年齢が上がるにつれて結婚したい人の割合は減少。大学生は73.4%、20代社会人は64.0%となっている。

平成25年版の厚生労働白書に掲載された結婚願望の推移を見ると、1982年は未婚男性の95.9%、未婚女性の94.2%が、1997年は未婚男性の85.5%、未婚女性の88.3%が「いずれ結婚するつもり」と回答していたことを踏まえると、今の若者が結婚に対して“消極的”なことがよくわかる。

これまで、さまざまな調査で結婚しない理由として「出会いがない」ことが挙げられてきた。しかし、阪井准教授は、人の移動が多く活動の範囲が広がった「現代は出会いが増えた時代なのに、学生たちは『出会いがない』と言うんです」と疑問を呈す。学生によく聞いてみると、「出会い認定できない」ケースが多いのだという。

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