自分もずっと不機嫌だったし、前夫には「こうあってほしい」という夫像を押し付けていた、と反省する亮子さん。ただし、前夫とやり直す気力は残っていなかった。出戻りさせてもらった実家では、両親から「(前夫との家に)戻る必要はないよ」と受けとめてもらった。帰る場所があったことを亮子さんはありがたく思っている。
女同士では補い合えないものがある
離婚によって腰が据わった亮子さんは、「とりあえず就職をしよう」と決意。すでに40歳になっており、ハローワークでは「事務職ではご紹介できる仕事は少ないですよ」と言われながらも、必死で職を探して面接を受け、現在の職場である業界団体への就職を決めた。3年前には実家を出て、独身で「バリキャリ」である6歳年上の姉と2人暮らしを続けてきた。
寂しがりを自認する亮子さんだが、しっかり者の姉との生活は快適だったはずだ。なぜ再び結婚したいと思ったのだろうか。
「結婚は面倒なこともいろいろとありますが、それ以上に喜びがあるように思います。あくまでも私の考えなのですが、女同士では補えないものが男女の間にはあるのかなあ。男の人と生きることでしか得られない何か、です。私は離婚をしてしまったとき、その何かが無くなってしまったことにすごい空虚感を覚えました。だから、もう一度、結婚したいと感じたのだと思います。前の夫を憎んで別れたわけではないので、結婚に関して嫌な感情を抱いたことはありません」
ただし、定年間近の男性が各社から天下りしてくる業界団体の職場に出会いがないことは明らかだった。趣味を通じて知り合った「お見合いがライフワーク」のおじさんにも紹介をお願いしたが、1人の男性も紹介してもらえなかった。
「子どもが欲しい男性は、自分が40代50代であっても20代30代の女性を求めますよね。その気持ちもわかる気がするので、43歳の私にはお見合いは厳しいのかなと感じました」
筆者もお見合いおじさんの端くれなので、亮子さんの考えには共感する。独身生活を謳歌してきた男性が「ふと結婚したくなる」のは、親も自分も歳をとったことをあるとき実感して、「次の世代を残したい」という思いに駆られることがきっかけであることが多い。自動的に相手の女性は「若ければ若いほどいい」になってしまう。
しかし、子どもを作ることだけが結婚生活の意義ではないと思うし、賢くて気立ても良くて美しいアラフォー女性が恋愛や結婚の相手を見つけあぐねている状況は非常にもったいない。
筆者のお見合いおじさん活動では、男女の年齢を事前に明かすのをやめようかと思っている。「僕と同世代です」ぐらいの紹介でいいのかもしれない。年齢をぼかして合コンに参加して、6歳年下の男性と結婚することに成功した体育教師の女性の事例を参考にしたい。
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