「私は思い込みが激しいお調子者なので、昨年の8月に世話焼きおばさん(以下、世話オバ)に入会してすぐに『これはうまくいく。きっと結婚できる』と思ったんです。最初の面談でオノデラさんに親しみを感じて、いままでどんな生き方をしてきたのかをいろいろしゃべっちゃいました。気持ちがすごく上がったことを覚えています」
インタビュー場所のホテルラウンジに緊張した表情で現れた亮子さんは、ボブヘア、ノースリーブのボーダーシャツ、紺のフレアスカートという若々しく小粋な姿。挨拶を交わすとリラックスした笑顔になり、世話オバとの出会いを興奮気味に語り始めた。
本稿は広告記事ではないので補足しておくが、小規模で運営している世話オバのような結婚相談所はスタッフの個性が強く出る。大手のようにシステムで動かないので万人向けのサービスではない。「お調子者」だけど謙虚で常識的な亮子さんはたまたま世話オバとの相性が良かった、と考えるべきだろう。
うつ病を発症した前夫との結婚生活
亮子さんには離婚歴がある。31歳のときに結婚し40歳で離婚をした。辛い思い出かもしれないが、その話から聞いておきたい。
「短大を卒業してから中学校の職員室で事務職をしていました。母の友だちのおばさまが紹介してくれたのが、たまたま私が勤務していた学校の先生の息子さんだったんです。彼もそのころは別の学校で音楽の先生をしていました。私は短大で音楽を専攻していたので、『共通点もご縁もある!』と思い込んで、1年後には結婚。職員室での仕事に行き詰まりを感じていて、『どこか別の場所に行きたい』と思っていたことも結婚した理由です」
前夫の勤務地は遠方だったこともあり、亮子さんは仕事を辞めた。専業主婦となり、3年間は穏やかな日々を過ごしていた。
しかし、4年目になって結婚生活に陰りが見え始める。もともと音楽家志望の前夫は学校での生徒指導に悩むようになり、うつ病を発症してしまったのだ。学校を退職し、失業保険をもらいながら親の援助も受けて職業訓練校に通い始めた。
「専業主婦をしてはいられないので、老人ホームの事務職のパートをしました。家事はそれまで同様、私がすべて抱えてしまっていましたね。彼は3年間のブランクがありましたが、なんとか電機関係の中小企業に入ることができました。でも、人間関係がうまくいかなかったようで、リーマンショックのときに真っ先に首を切られてしまったんです。
それからは働く気を起こすことはありませんでした。私は彼にまた学校関係の仕事に就いてほしかった。ハローワークの求人を見て『こういう仕事があるから面接を受けてみたら』と勧めたら、彼は逆上。『出て行きなさい!』と言われてしまいました」
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