「あたり前田の〜」「キムタク」耳に残る言葉の秘密 日本人の記憶に長くとどまる「3拍・4拍」の法則

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しかしながら、日本人が日常生活の中で長く育んできた言い回しには、ずっと残ってきただけの魅力があるのは確かです。

リズムに魅力がある日本語

リズミカルな韻が踏まれていたり、洒落がきいていたり、語呂合わせが面白くはまっていたり、時には風流な趣きすら、そこにはあります。

日本人の心に届くというか、日本人の琴線に触れて共鳴するような何か……とまで言ったら大袈裟でしょうか。

たとえば、次のような言い回し。

●「屁の河童(へのかっぱ)」
●「お茶の子さいさい」
●「うんともすんとも」
●「とんちんかん」
●「すってんてん」
●「すっとんきょう」
●「あんぽんたん」
●「平気の平左」
●「やけのやん八(ぱち)」
●「ちゃんちゃらおかしい」
●「口八丁手八丁」
●「後は野となれ山となれ」
●「雨が降ろうが槍(やり)が降ろうが」

(※詳しい意味は、記事の最後に)

また、俗に「おじさん言葉」とも言われるのですが、同じ言葉を重ねて用いるケースも、耳に残りやすいものです。

たとえば、次のような言い方で。

「ほぼほぼ」……おおかた、おおよそ、を強調して
「かつかつ」……ギリギリの状態で、家計やスケジュールなどがどうにか成り立つさま
「どっこいどっこい」……勢いや力の差がなく、ほとんど互角なさま
「ペイペイ」……平社員の「平」の意は、並み、普通。その「平」をペイと読んで2つ重ね、新人や万年平社員を軽んじる呼び方
「とんとん」……収入と支出など、2つのものを比べて、ほぼ同じであること。額や損得には大差ないこと
「イケイケドンドン」……どんどん行こうぜ!という鼓舞を込めて
「くわばらくわばら」……怖い事や嫌な事を避けるために言う。もとは落雷をよけるまじない言葉。農家の井戸に落ちた雷神が、「桑が嫌いなので『桑原桑原』と唱えたら二度と落ちないよ」と約束してくれた……ほか、由来は諸説あり
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