一流とは「不安でも強気でいられる人」だった 心が強い人が持つ「3つの力」

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現代は、変化の激しい業界で働いている人ほど、逆境に直面しやすいのではないでしょうか。

事例1:将来が不透明な業界で慢性的な不安を抱える28歳女性

たとえば、そのひとつに出版などのメディア業界があります。将来が不確定で、先行きが不透明な業界では、未来ストレスを感じている人が少なくありません。

ある出版社で書籍の編集者として働く28歳のAさんは、将来が不安で仕方がありませんでした。紙媒体の出版メディアはウェブの影響を受けて、今後は衰退していくと見なされていました。さらに、スマホの浸透で、本を読まない若者も増えていると知り、「自分はこのまま、この業界にいても大丈夫なのだろうか」と心配になりがちだったのです。

出版に関係のない外野の声も気になりました。「これからの編集者は、情報を収集して加工できるキュレーターであるべきだ」「いやいや、電子出版の広がりで個人がセルフ・パブリッシングできる時代だから、もはや編集の仕事そのものが必要ではない」といった話が、色々なところで言われるのをよく耳にしたからです。一人の編集者として、どこを目指せばいいのかがわからず、混乱する日々が続いていたのです。

ところが、会社や上司の方針は昔のままのやり方を貫いており、「仕事力をつけないといけないこの大事な時期に、こんな時代遅れな職場で働いて大丈夫なのか?」と不安でたまらなくなることもありました。

「今いる場所でどうやって結果を出すか?」「これから、何を、どこを目指して働くべきか?」「自分はどうなりたいのか?」といった不安で頭はいっぱいです。しかも、編集の仕事で常に頭を使い、起きている間はずっと仕事モードが続いているので、脳ストレス過多の「過緊張」の状態になりやすくなりました。自律神経が乱れ、体調も悪くなりやすくなり、以前よりもイライラや不安を感じやすくなっていたのです。

ただ、どれだけ悩んでも今の状況を打破できず、明確な答えも出ず、心のざわつきと焦りが延々と続く「慢性的な不安」に陥っていたのでした。

ある特定のネガティブ感情が、自分の心の中に強く長く残って繰り返されてしまうのは、「ネガティビティ・バイアス」がかかっているからです。否定的な記憶や感覚は、より長く強く残ってしまう心理作用があるのです。

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