企業経営者、マネジャーに贈る「震災後、これから本格化するおカネの危機管理と対処法」(前)--バーンレートを把握して危機に備える

企業経営者、マネジャーに贈る「震災後、これから本格化するおカネの危機管理と対処法」(前)--バーンレートを把握して危機に備える

川原愼一 SKIビジネスパートナーズ代表

東日本一帯を襲った未曾有の震災から約4カ月が過ぎました。

原発事故もあり、被害は終息に向かうどころか、放射能の影響等がはっきりした形を見せないだけに恐怖心も募ります。

経済的な被害もまたその1つ。被災地の一次被害の状況は把握されましたが、これから二次被害三次被害が全国、いや全世界に広がる勢いを見せています。ことに中小企業の経営者やマネジャー職のビジネスマンにとっては、直接東日本の企業との取引はなくても、大小さまざまな形で影響は出てきます。

「震災後の危機管理」は、これからが本番です。震災直後の萎縮した市場の影響で、多くの産業で売り上げ減少、収入減少という状況がありました。さらにその先には、売り上げは戻っても収入は減少という、ぎくしゃくした状況も待ち受けています。

しっかりとした対処法を実践することが必要です。

1 売り上げ減少、収入減少期の危機管理

売り上げと収入の動向をあらかじめシミュレーションして準備しておく
 
 売り上げ減少、収入減少が予想されるとき、あらかじめ企業(ないしは担当部署)の損益分岐点を確認して、いかにこれを下げられるかをシミュレーションする必要があります。

損益分岐点とは、損失が出るか利益が出るかの境目となる売上高、あるいは数量を指しています。

損益分岐点=売上高−諸費用(コスト)=0

売り上げ減少が予想される状況では、コストをいかに引き下げるかがポイントです。

コストは、変動費と固定費に分かれます。つまり、売上高や販売数の増減によって変動する変動費にコストを集中し、固定費を少なくすることでコスト減を図ります。

このとき、大切な視点は「スピード」です。

たとえば、正社員を減らして派遣社員を活用し固定費を変動費に変えるという対策を考えても、社員のリストラに半年もかかるということではその間の資金繰りが必要になります。

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