企業経営者、マネジャーに贈る「震災後、これから本格化するおカネの危機管理と対処法」(前)--バーンレートを把握して危機に備える
b. 金融機関対応
バーンレートが肥大化して、キャッシュフローが回らないことが予測された場合には、早めに金融機関対応が必要です。
このときも、リスケジュール対応か資金調達かの2つに分かれます。
リスケジュールとは、債務返済の金額や期間を変更し、毎月の返済額を圧縮することです。現在は「金融安定化法」が延長して施行されていますから、金融機関もリスケに対して柔軟な対応を見せてくれています。今がチャンスともいえます。
資金調達をする場合には、いずれ返済の義務がかかってくることをしっかりと意識してください。融資が出ても、将来的にバーンレートは大きくなってしまいます。
以上のような対応で、バーンレートは想定範囲内で推移していくものですが、場合によっては外部要因でバーンレートが大きく動く可能性もあります。競合関係の変化、地域の事情、業界の動向等がその理由として挙げられます。
経営者やマネジャーとしては、そういう突発的な変化にも備えておくことが必要です。
かわはら しんいち
1955年東京生まれ。立正大学経営学部卒。旅行関係の専門学校を経て、旅行代理店入社。1998年、インターネットを利用した旅行関係の企画販売システムを開発し、ビジネス特許を申請。ITベンチャー起業家へとスタートを切った。当初は事業も順調で、ベンチャーキャピタルからの出資を受け上場をめざすが、資金繰りの悪化から2000年に経営破綻。銀行・ノンバンク・商工ローン・消費者金融などから合計2億円以上の債務を抱えて暗い日々を過ごす。だが、様々な人との出会いや自らの学びによってその債務問題を自力で解決。その経験から2001年より再生コンサルタントとしての活動を開始。成功を夢見て疾走する後輩ベンチャーたちに対して、少し早く失敗を経験した「先輩」の立場から役立ちたいと思ったのがこの仕事のスタートとなった。現在まで数百社の再生相談に対応。個人の多重債務問題から年商100億円規模の企業M&Aまで、様々な手法を駆使して全国で再生実務を行っている。著書に『先輩!お金の相談に乗ってください! 再生の超プロが教えるリスク管理とリカバリーの方法』(小社刊)。
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