企業経営者、マネジャーに贈る「震災後、これから本格化するおカネの危機管理と対処法」(前)--バーンレートを把握して危機に備える
2 売上回復、でも収入減少期の危機管理
震災直後には市場が冷えきっていて、被災地とは無関係でもレジャー関連産業や各種サービス業では軒並み減収減益となりました。
時間の経過と共に、各業界で売り上げは回復基調にありますが、売り上げが回復しても資金繰りが苦しい、黒字倒産というケースも多々あります。
なぜそうなってしまうのか、どう対処すればいいのか。あらかじめシミュレートしておいてください。
その際に必要になるのは、「バーンレート」という指標です。
a. バーンレートを把握する
「バ-ンレート」とは、ベンチャー企業でよく使われる言葉です。企業(事業)が1カ月に失うおカネの額を指しています。
バーンレート=キャッシュアウト−キャッシュイン
バーンレートが大きい企業ほど、時の経過とともに会社が消費する資金額が大きいということになります。
損益とは別に、事業の継続に重要な指標です。
毀損した売り上げが回復しても、その売上金が回収できるまでには時間がかかります。
その間、回復した売り上げを維持するために、先行してコストがかかります。つまりバーンレートは増加してしまうのです。売り上げ回復期の資金需要をバーンレートという指標で把握しておかないと、キャッシュフローに詰まってしまいます。