「失敗を転機に」"私立中退学"若手起業家の視点 坂井風太さん「レールから外れても怖くない」
「成功するためには失敗をたくさんすることが大事」とよく言われるが、実際には失敗や挫折を人生の糧にしてチャレンジできる人と、失敗をマイナスに捉えて引きずってしまう人がいる。その差はどこにあるのだろうか?
「メディアや有識者の間でも挫折経験が大切と言われますが、本当に大切なのは転機経験です。もっと言うと、失敗、成功した事実ではなく、自分の捉え方として転機にできるかが大事ではないでしょうか」
そう話すのは、人材育成と組織強化を支援するスタートアップ、Momentor代表の坂井風太さん(32)。起業1年半にして大小90社を超えるクライアントを支援し、最近では動画メディアへの出演も続いている。
これだけを聞けば順風満帆なキャリアに思えるが、実は中3の時に中学受験をして入った学校から退学を命じられる、という過去を持つ。
これまでの歩み、そして坂井さんが考える人が成長するポイントなどについて聞いた。
中3で命じられた”退学”
坂井さんは神奈川県横須賀市出身。2つ違いの兄がいる末っ子で、両親が40歳近いときの子どもだったこともあり、特に母親には溺愛されて育った。どちらかというと両親は放任主義だったというが、中学受験をし、神奈川の名門、栄光学園に入学。まさに順調満帆な幼少期だった。
「東大に何十人も輩出している学校ですし、僕もうまくいけば東大に行って、官僚になるか医者になるか、大企業で働くのかな、などとぼんやり思っていました」
しかし、そう順調にはいかない事件が起こる。中3の時に退学を命じられてしまったのだ。
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