会計は「BS」と「PL」がザックリわかるだけで十分だ 経営判断の際に、決算書を完璧に読む必要はない
キャッシュフローは「お金の流れ」です。
会計では「発生主義」と「現金主義」という考え方があります。
取引が発生した時点で収益や費用を認めて、実際にお金のやりとりをしていなくてもPLに入れてしまうことを発生主義と呼びます。たとえば、知り合いのお店で売ってもらうためのTシャツをつくって、渡したとします。その際に、「支払いは来月、振り込むね」と言われたら、現金は入っていなくても、PLでは売上にカウントしてもいいということになっています。
対して、現金主義では本当にお金が入ったり出たりするときに収益や費用を確定します。Tシャツの代金が支払われるまで売上にカウントしてはいけません。
前者の場合、PLでは黒字になっているけれども、手元にはまだお金がないという状況になります。
発生主義と現金主義のギャップを埋めるために必要になるのが、キャッシュフロー計算書です。1年間の現金の出入りをまとめて、最終的に1年間でお金がいくら残っているのかを計算した報告書です。
数字を元に身の丈に合った経営判断ができる
そもそもですが、経営判断に使う目的において、決算書を完璧に読む必要はありません。
けれども、決算書をまったく理解しないまま会社を経営するのは、目隠しして走るようなものです。
目隠しして走ったら何が起きるか。考えるまでもなく、つまずいて転んだり、壁にぶつかったり、人や車にぶつかったり、5メートルも進めないかもしれません。
何もない広いグラウンドであれば目隠ししてもそこそこ走れると思います。バブルが崩壊するまでの日本は、そういう状況でした。右肩上がりの成長を約束され、銀行もどんどんお金を貸してくれましたし、円が強かったので海外に進出して不動産を買いあさったりもしていました。
しかし、今の世の中は、時代が進むスピード感がどんどん上がり、高速道路でビュンビュン車が行き交っているような状況です。それでも目隠しをしたまま走れるでしょうか?
僕は今まで大勢の中小企業の経営者とやりとりしてきましたが、自社の売上や利益、借金ぐらいはわかっているけれども、それ以外はわかっていない方が少なくありませんでした。
決算書をある程度理解できるようになると、どうやってお金を回せばいいのかが見えてきます。「人手が足りないから人を増やそう」「この商品、売れてるからもっとラインナップを増やそう」と感覚的に判断するのではなく、数字を元に自社の身の丈に合った経営判断ができるようになります。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら