会計は「BS」と「PL」がザックリわかるだけで十分だ 経営判断の際に、決算書を完璧に読む必要はない
けれども、それを鵜呑みにした社長が「AIがいいと言っているから海外事業をやろう!」なんて社員に言ったら、みな「うちの会社は大丈夫か?」と青ざめるでしょう。
「今はこういう理由で、海外に出ていくべきだ」と自分自身が納得し、まわりも納得するような根拠を示すには、やはり数字が必要で、そのために会計の知識が必要になります。最終的にリスクを取って判断するのは経営者自身です。
そこで、ここから、大学生の娘との会話形式を中心に、会計の基本である3つの決算書の概要を分かりやすくお伝えします。
PLとBSの2つを覚えれば会計はほぼカバーできる
父:会計についてのファーストレッスンは、まず決算書から。決算書って何かわかる?
娘:なんとなく聞いたことはある。
父:そうだよね。決算書というのは、簡単に言うと会社が1年間活動した結果、いくら売上を上げていくら経費を使って、いくら残ったかという報告書。正式には財務諸表って言うんだけど、聞いたことはあるかな?
娘:んー、聞いたことはないかな。
父:そうか。決算書は税務署に法人税を申告するときに必要だったり、銀行から運転資金を借りるときとか、上場している企業は株主に投資してもらうために必要になるんだ。それに、経営者が自分の会社の経営がどんな状況になっているのかをつかんでおくためにも必要だね。
娘:ふーん。
父:決算書には主に、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)とキャッシュフロー計算書の3つがあるんだ。全部を覚える必要はないよ。損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)の2つを覚えれば、ほぼ会計はカバーできる。
娘:いきなり漢字5文字だと覚えづらい……。
父:そうだね。損益計算書はPL、貸借対照表はBSって呼ばれてるから、そっちのほうがわかりやすいかな。
娘:あっ、PLとBSは聞いたことがある。なんか、同じ学校を卒業した社会人から話を聞く授業があって。仕事でそれをつくってるって。
父:お、いいね! じゃあ、下に載せたのはある会社のBSなんだけど、まず資産の部があって、2つに分かれる。流動資産と非流動資産、この非流動資産を固定資産って言うんだけど、その両方を合わせたものを資産合計といって……。
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