高卒渡米元俳優の青年がウォール街で受けた洗礼 「すべて読まない」外資系金融決算書分析の神髄
「日本のビジネスパーソンは、決算書をちゃんと読もうとしすぎなんです」
マサチューセッツ州立大学MBA講師、齋藤浩史氏はこう語ります。
夢を追う若者からゴールドマン・サックス証券のトレーダーに転身した自身の経験をもとに、外資系金融のプロも実際にやっている「可能な限り短時間で、最大の成果を生む決算書の読み方」を解説した『タイパ コスパがいっきに高まる決算書の読み方』から、決算書学習の根底にある考え方を紹介します。
「決算書をすべて読んではいけない」
いきなりですが、
“決算書はしっかり読まなくても良い”
と言われたらどう感じますか?
「何をそんなバカなことを」と思われるかもしれません。しかし、この一見変わった考え方が、決算書を理解する際にとても大切なのです。
外資系金融では、職種にもよりますが、決算書を隅から隅まで読むことはまずありません。というのも、外資系金融では入社後すぐに、「決算書をすべて読んではいけない」と叩き込まれるのです。
決算書に書かれていることは、一から十まで大切かというとそうではありません。非常に重要な情報が記されている部分もあれば、読み飛ばしても問題ない部分もあります。
そうであれば「不要な情報は捨てて、なるべく最短距離で企業の経営状況を決算書から読み取る」 ことが勝負になってくるのです。
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