沸騰するに従ってアクが浮いてくるので、それを取り除きます。目の細かい網を使うか、お玉ですくい取っても大丈夫です。
そもそもアクとは何でしょうか? アクには動物性と植物性がありますが、今回は前者について説明しましょう。
動物性のアクは食肉を水で加熱したときに、表面に浮いてくる固形物を指します。これはタンパク質が脂質を取り囲んで浮いてきたものです。このタンパク質には血液中にある鉄(ヘモグロビンやミオグロビン)が含まれるため、加熱すると茶色〜灰色になります。
肉の臭みは脂質の酸化によるものですが、鉄イオンによって酸化が促進されるので、アクには血生臭いような臭いがあります。そのため、除去するのです。
アクを除去したら弱火に落とし、2〜3mmの厚さに切った玉ねぎを加え、2時間煮込みます。この状態までいくとアクはほとんど出てきませんし、少量浮くアクも玉ねぎの香りによって臭みがマスキングされます。
火加減はできるだけ弱火です。水面がことことしていないと火を強めてしまいがちですが、その必要はありません。95℃〜98℃の温度を維持できるだけの火力があれば十分です。火加減をできるだけ弱くすることで光熱費の節約にもなります。
圧力鍋を使うと煮込み時間を半分に省略できますが、その場合は蓋を開けた状態で15分程度煮込んでから圧力をかけたほうがいいでしょう。圧力鍋は蒸気を閉じ込める形で加熱するので牛すじの匂いがこもりやすいからです。
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