マンション高齢化に潜む"見えない"配管のリスク 負担増を避けたい、まずは「知る」ことから
少子高齢化が進む日本。居住者同様、「住まい」であるマンションも高齢化・老朽化が進んでいる。
「うちのマンションは建ってから時間が経過しているけれど、一見しただけではそれほど劣化しているように感じない」という方もいるかもしれない。しかしながら、表に出ない部分においても少しずつ、確実に劣化は進行している。
例えば建物の内部に張り巡らされている配管類も、外側からの劣化状態がわかりにくい設備のひとつだ。私たちの生活に深い関わりのある「水」に関連する給排水管などで劣化が進むと、水質の変化や水漏れなどのトラブルの原因にもなりかねない。
目にする機会が少ない部分だけに、大幅な老朽化が進んだ後に気がつくことも多く、負担も大きくなりがちだ。では、目視での確認が難しい給排水管については、どのようなタイミングでメンテナンスを考えればいいのだろうか。
建築年代によって異なる「給排水管の寿命」
マンションに設置されている「水」に関連する配管設備にはさまざまな種類がある。おおよそ次の4種類に区分され、例えばもっともよく知られているのは、飲料水やその他生活に使う水を建物内に供給する「給水管」だろう。
さらに熱した湯を供給するための「給湯管」、建物内で出た汚水を外へ排出する「排水管」、屋内消火栓やスプリンクラーなど消火設備に使われる「消火管」などがある。
注意したいのは、これらの給排水管の材質がマンションが建てられた年代によって大きく異なる点だ。
例えば1960~1970年代にかけてよく用いられたのが水道用亜鉛めっき鋼管(SGPW)で、通称「白ガス管」と呼ばれる材質だ。さびやすいため、配管内面の腐食が進むと、赤水や漏水などの不具合が生じやすい。耐用年数も15〜20年と短いのが特徴だ。
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