「料理って面白いな」でもいいし、「きれいに巻くのって難しいな」でもいい。
自分が作ったのり巻きを見て、
「なんて下手くそなんだ! デパ地下とかに並んでいるのり巻きって、すごいんだな」
「めちゃくちゃ練習して、もっと上手に作れるようになりたいな」
でもいい。
その気づきから、のり巻きを作るにも技術がいるということ、料理をきちんと作ってくれる人がいるということ、料理人さんってすごい、ということになんとなく気づいてくれることを願ってやまない。
その気づきがあれば、出されたのり巻きを、大事に食べようとする大人になるのではないかと思うからだ。
そして、食べ物やそれを用意してくれた人に対して、感謝の気持ちも持てるようになると信じている。
出会いの喜びが夢になる
料理人同士で「なぜ料理人を目指すようになったのか」を尋ね合ってみると、「初めて作った料理を『おいしい』とほめられたから」という答えがわりと多く聞かれる。
最初にほめられたその喜びが忘れられなくて、料理の世界に入る人がとても多いのだ。
ほかによくあるのが、「間近で見た料理人さんがとてもかっこよかったから」というもの。たとえば、「家族でよく行っていたラーメン屋さんのマスターに憧れて」というように。
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