以上、2つの学び方についてお話ししましたが、学びの本質としては、垂直型がよいと思いますが、学校教育では幅広い分野を学ぶことが求められるため、水平型が基本となっています。
大人になると、時には水平型学びを、時には垂直型学びを、というように使いわけができるようになりますが、子どもの頃は、その子のタイプによって、デフォルト状態のままの学び方をしていくことが一般的です。
そこで、ご相談くださった松永さんのお子さんには、お子さんの特徴を活かしつつ、それぞれ次のようなアプローチをとってあげてください。
型ごとにアプローチの方法は異なる
(1)目次の全体像を見る。
(2)1つ終わったら目次の消し込み作業し、また1つ終わったらさらに消し込み作業をしていく。
(3)いつも、自分がどの部分をやっているのかを把握できるようにしておく。全体の中での自分のポジションを明確にしておきます。
(4)以上のような学びのプロセスにおいて、「面白い」と思う分野が出てきたら、そこだけを一時的に深く学びます。あくまでも「面白い」と思う分野です。深く学ぶ分野は少なくても構いません。例えば、先ほどの歴史でいえば、織田信長が面白いと思ったら、そこだけ、別の本や資料で深めていくようなイメージです。これは勉強というより、面白いからやっている状態です。この感覚で行うと、必然的に「考える」状態がやってきます。
(1)現在、興味関心がある分野をこれまで同様に深く学びます。
(2)その分野から興味の対象が広がっていけば、その流れに合わせていきます。
例えば、爬虫類の興味があった子が、その後、動物に興味が広がり、さらに生物に関心が出てくるようなイメージです。
筆者が指導していた高校生にこのような学び方をする生徒がいました。彼は、ゲームの「信長の野望」にハマり、そこから戦国武将へと発展し、日本史そのものに興味を持ち、その後、世界の歴史に興味を持ちました。教科書で勉強するスタイルではなく、本を読むことによって学んでいったのです。
当時のセンター試験では、日本史を選択しましたが、あまりにもすぐに終わってしまったので、余った時間で世界史も解いたようです。結果、日本史は満点で、世界史は自己採点で95点でした。教科書を1ページから学ぶスタイルは彼には向いておらず、興味関心分野を徹底することによって伸びたケースでした。
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