顔が溶ける病「水がん」患う少女に笑顔が戻った訳 17億人が苦しむ「顧みられない熱帯病」の正体

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モザンビークのNTDsクリニックで患者をトリアージするMSFの看護師(©MSF/Pierre-Yves Bernard)
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「顧みられない熱帯病(NTDs)」と呼ばれる病気の一群がある。主に低・中所得国の熱帯地域を中心に蔓延し、毎年何百万人が罹患し、何十万人が亡くなり、そして約17億人が影響を受けている。

顧みられない(Neglected)病気

NTDsに罹患すると、命の危険があるばかりでなく、失明や歩行困難などの身体障害が残り、社会からの阻害や経済活動への支障を招いて、貧困から抜け出せない原因にもなる。だが、主に途上国の僻地や貧困層に蔓延する疾病であるため、予防・診断・治療法の研究開発が遅れ、まさに「顧みられない(Neglected)」でいる。

国境なき医師団(MSF)は、そんなNTDsに苦しむ人びとを目の当たりにしてきた。

1月30日の「顧みられない熱帯病の世界デー(World Neglected Tropical Diseases Day)」に向け、MSFのベヒシュタイン紗良(日本メディカル・アフェアーズ担当マネージャ)が、紹介する。

NTDsはWHO(世界保健機関)が定めたデング熱、アフリカ睡眠病、ハンセン病などを含む20の疾患群で、多くは、昆虫やダニなどに寄生する病原体を介して人に感染するものが多いが、毒ヘビにかまれた傷(ヘビ咬傷:こうしょう)も含まれる。

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