いなば食品、大炎上でも「不買運動」が起きぬ理由 キリンはあれだけ盛り上がったが…どこに違いが?
缶詰などで知られる食品メーカー「いなば食品」が炎上している。新卒社員をめぐる文春報道を皮切りに、SNSではインフルエンサーのもとにタレコミも相次ぎ、さらなる炎上に発展しつつある。
こうした不祥事が起きると、しばしば「不買運動」が始まる。購入をボイコットすることで、企業への経済的ダメージをもくろむもので、企業経営のあり方が問われる際に行われがちだが、今回はあまり見られない。
ここ最近の不買運動は、SNSを中心として発生することが多い。ネットメディア編集者として、10年以上にわたってそうした事例を見てきた筆者の経験を交えつつ、いなば食品のケースが現状では不買運動につながっていない理由を考察してみた。
【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮、書き換えられたリリース…などの様子を見る(6枚)
新卒辞退者が9割に達していると報じられ…
まずは、いなば食品の騒動をおさらいしよう。2024年4月上旬、『週刊文春』が同社の新卒辞退者が9割に達していると報じた。記事では、新入社員の寮として「ボロ家」をあてがったなどと紹介している。
いなば食品は報道を受けて、プレスリリースで経緯説明と謝罪をしたが、そのタイトルが「由比のボロ家報道について」だったことや、文節ではない部分に「謎の改行」が挿入されていたこと、病気で急逝した副社長に責任転嫁しているような内容であることなどを理由に、さらなる炎上を招いた。
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