有料会員限定

キリン新社長が語る「晴れ風」ヒット生んだ現場力 発売1週間で100万箱販売には「耳を疑った」

✎ 1〜 ✎ 322 ✎ 323 ✎ 324 ✎ 325
拡大
縮小
南方健志(みなかた・たけし)/1961年生まれ。1984年東京大学農学部卒業、キリンビール入社。ミャンマー・ブルワリー社社長、協和発酵バイオ社長、協和キリン取締役、ヘルスサイエンス事業本部長などを経て2024年3月から現職。(撮影:ヒダキトモコ)
国内酒類大手のキリンホールディングス。4月、スタンダード(標準的な価格帯の)ビールとして17年ぶりの新商品を発売し話題となった。ただ、この先を見据えると国内酒類市場の縮小は必至だ。注力するヘルスサイエンス(健康関連)事業を首尾よく収益柱に育成できるのか。3月に着任したばかりの南方健志社長COO(最高執行責任者)に聞いた。

 

――新しいスタンダードビール「晴れ風」は好調なスタートを切りました(注:インタビュー実施日の4月15日時点では、供給が追いつかず出荷調整中)。

年間販売数量目標は430万箱だが、このうち100万箱を発売1週間で販売した。これを聞いた時は耳を疑ったほどだ。特に、味が評価されているのだと思う。

私は技術畑出身で、キリンビールの工場勤務時代に「一番搾り」の味の設計や製法の開発に携わった経験がある。だからこそわかるのだが、「晴れ風」は麦芽100%で、そうすると芳醇で重めの味になりがちなのに、飲みやすい。初めて飲んだ時は「おっ」と驚いた。よく工夫されている。若い人や、一度ビールから離れた人に飲んでもらいたい。この商品でビール離れを食い止めたい。

次ページヘルスサイエンスの黒字化には忍耐が必要
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内