数十社が一斉退会する前代未聞の事態、そして急速に高まる大手電力会社の存在感。協会内部でいったい何が起きているのか。衝撃のスクープ。
日本風力発電協会(JWPA)を巡る騒動に終わりが見えない。
JWPAは風力発電の業界団体で、メーカーや発電事業者をはじめ500社を超える企業などが加盟。再生可能エネルギーの主力電源化に向けて政策提言などを行ってきた。
だが、2023年夏以降に明らかになった秋本真利衆議院議員の汚職事件では、贈賄の疑いがある日本風力開発の元社長だけでなく、JWPAも一定の関与があったのではないかと取り沙汰されてきた。2023年10月、洋上風力の代表的企業である三菱商事が同協会から退会し業界に衝撃が走った。
「これほど多くの会員が退会したのは異例」
一連の汚職問題を受けて、協会の代表理事を務めていた加藤仁氏(当時の日本風力開発副会長)が退任し、代表理事職はいったん空席(代表理事代行が就任)になった。
同12月、安茂氏(当時はジャパン・リニューアブル・エナジー会長)が新代表理事に就任したものの、今度はセクハラ問題を理由に2024年2月に退任した。
だが、これで混乱が収束したわけではない。東洋経済の取材でこの3月末に伊藤忠商事や双日、そして世界最大の洋上風力事業者オーステッドなど数十社が退会した事実が判明したのだ。「これほど多くの会員が退会したのは異例」(業界関係者)という事態となっている。
JWPAの会員には、東京ガスや鹿島建設など、各業界の顔ともいえる企業が名を連ねる。伊藤忠は、昨年末に発表された公募入札の結果で、秋田県男鹿市、潟上市および秋田市沖の大型洋上風力プロジェクトへの参画が決まったばかり。協会内部でいったい何が起きているのか。
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