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三菱商事「522億円減損の洋上風力」に一条の光 エネ庁担当者は「三菱商事の救済」を完全否定

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「総取り」で話題となった巨大プロジェクトが急転直下の展開に。

洋上風力
写真はデンマークとスウェーデン国境付近バルト海上のリルグルンド風力発電。欧米のプロジェクトでもコスト増大の影響が懸念されている(写真:yumikann/PIXTA)

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これは「三菱商事の救済策」か否か――。
3月10日に資源エネルギー庁と国土交通省の有識者会議で審議が行われた公募占用指針の改訂案が波紋を呼んでいる。洋上風力政策の要となる資源エネルギー庁幹部に取材を行いつつ、事業者サイドの反応を探った(エネ庁幹部インタビューは記事末尾に掲載)。

秋田県沖や千葉県沖の洋上風力発電プロジェクトで、2024年4~12月期決算の際に522億円の減損損失を計上した三菱商事。同社の洋上風力事業は泥沼に陥ったかに見えたが、光明が差し込んだ。

プロジェクトは3海域あり、三菱商事を中心とする企業連合が落札した。国の洋上風力発電事業の「第1ラウンド」と呼ばれ、総事業費は1兆円規模、設備出力ベースで約174万キロワットというビッグプロジェクトだ。

日本風力発電協会によると、昨年12月末時点で稼働中の国内風力発電は584万キロワット。3案件の規模の大きさがわかる。

三菱商事陣営が落札したのは2021年12月。上限価格29円/キロワット時が示される中、三菱商事陣営は11~16円台と、他陣営よりも圧倒的に低い売電価格を提示した。これが決め手となり、3海域の事業は同陣営の「総取り」となった。

「FIT」が前提だった第1ラウンド

第1ラウンドの公募入札は固定価格買い取り制度(FIT)を前提に行われた。FITでは、地域の電力会社に固定価格で20年間電力を売ることになる。発電事業者は安定的な売電収入を得られる反面、相対取引などで高く売電することはできない。

だが、資材高騰などで事業の前提が大きく変わっている。風車だけでも落札した時点から2倍近くに高騰、建設費のみならず開業後の運用コストの上昇も予見されている。落札価格ではどう計算しても収支が合わなくなった。

FITにのっとって売電を行う以上、膨れ上がるコストを相対取引で売電価格に転嫁することもできない。

事態が一変したのは3月10日のことだ。同日、資源エネルギー庁と国土交通省の有識者会議で公募占用指針の改訂案について審議が行われた。ここで突如、「第1ラウンドのプロジェクトにFIP(フィードインプレミアム)制度への転換を認める」という公募指針の修正案が示された。

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