奈良時代は「長屋王の祟り」と恐れられた天然痘
「またもや、あの悲劇が繰り返されるのではないか……」
正暦4(993)年頃、九州から流行し始めた疫病が、翌年には全国的に拡大。藤原道長は、伝え聞いていたであろう、200年前の凶事を想起したのではないだろうか。奈良時代の天平9(737)年に起きた、天然痘の流行のことだ。
「天平の疫病大流行」と呼ばれた、このときのパンデミックは「ある人物の祟り」と言われた。当時の政治情勢を振り返ってみよう。
時代としては聖武天皇の治世だったが、実権を握ったのは、皇族の長屋王である。先代の元正天皇の代に、藤原不比等から長屋王へと実権が移行。聖武天皇に代替わりしたあとも、長屋王が政権首班として、権勢を振るうことになった。





        
        
        
      
        
      
          
          
          
          
        
        
        
        
        













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