会話でバレる「頭がいい人」がすぐにしない質問 相手が答えやすいように質問をできているか

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○質問「そんなに簡単な手続きで完了とは、セキュリティ面が弱点では?」

交渉や決断のためには材料としての情報を得ることが必須だろう。まず「よく聞く」ことで欠けたピースを見つけ、それを問うことで、交渉の主導権を握っていける。

コーチングの場面で質問するときは

仕事をサクサクと進める部下は頼もしい存在だ。ただ、スピード感はあるが自分だけの理解で先へ進めてしまい途中で方向がずれてしまうケースや、予測していなかった壁を越えられず自信を失って迷子状態になってしまうケースなどもままあるだろう。

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こんな場合は「わからないことがあったら聞いてね?」という声がけでは言動を変えることは難しい。大切なのは、相手を認めたうえで指摘することだ。

○質問「順調みたいだけど、困ってることはない?」

いったん肯定感のある言葉をかけたうえで水を向けると、相手は迷っている点や困っている点を自分から質問しやすくなる。褒めてもらえたことが担保となるわけだ。

○質問「仕上がりが楽しみで待てないから、途中経過を見せてくれる?」

こんな質問で、取り返しのつかない時期になって問題が発覚するという悲劇を回避できる。こうしたコミュニケーションを重ねてからなら、

○質問「これから路線を調整するとしても、あなたならそれほど時間がかからないのでは?」
 ○質問「ついでに気になるところがあれば、教えてくれますか?」

といった問いかけも「あなたを見ていますよ」というメッセージが伝わり、受け入れられやすくなる。

このように、質問は、説得や交渉、コーチングなどさまざまな場面で、万能といっていい力を発揮する。これからの時代は、ますます「質問力」がクローズアップされることになるだろう。

「質問」を使いこなして、そのポテンシャルを存分に利用し、有益な情報を得ながら高い交渉力、コーチング力を持つコミュニケーション巧者への道を究めていってほしい。

樋口 裕一 多摩大学名誉教授

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ひぐち ゆういち / Yuichi Higuchi

1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。フランス文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、受験小論文指導の第一人者として活躍。現在、多摩大学名誉教授。通信添削による作文・小論文の専門塾「白藍塾」塾長。250万部の大ベストセラーとなった『頭がいい人、悪い人の話し方』(PHP研究所)のほか、『頭がよくなるクラシック』『頭がいい人の聞く技術』『65歳何もしない勇気』(幻冬舎)など、著書多数。

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