親の言うこと聞く子ほど「成績が下がる」ジレンマ 真面目に授業に出ているのになぜ伸びないのか
「成績が上がるクラスの先生」や「成績が上がる授業をする塾講師」は、あえて「答えを教えない」ということを実践している場合が多いです。
「これはこうすればいいんだよ」ではなく、「これ、どうしてこうなるのか考えてみよう!」と考える時間をとり、生徒が自分で答えを出せるところまでサポートする、コーチングの技術を持っています。
その際には、先生は生徒が自分の想定する答え以外のものを出しても、「よくがんばったね」とほめて、そのうえで軌道修正をします。決して、「答えに辿り着けなかったこと」を否定したりはしないのです。
これは、勉強の中身だけでなく、勉強そのものに関しても言えます。良い子ほど、親や先生の顔色を気にして、短期的な結果に拘泥してしまう場合があるのです。ちょっと悪い成績だっただけで過度に落ち込み、「親や先生に顔向けできない」となってしまうことも多いのです。
親が喜んでくれるから頑張る一方で・・・
小さいときに「良い子」で成績がよく、「親が言うから」「親が喜んでくれるから」というモチベーションで勉強し、その結果として名門と呼ばれる中学校に入ることができた子が、思うような成績が取れなくなってしまったことでモチベーションが著しく下がり、成績が一気に落ち込んでしまうことがあるのは、ここ数年でよく指摘されていることです。これも、「良い子」を作る教育の弊害だと言えるでしょう。
ですから、「大人から答えをほしがる『良い子』」ではなく、「自分で答えを出す子」こそ、育てていく必要があるのだと思います。「親が言うから」「先生が言うから」と思考停止になるのではなく、自分で考えて行動する生徒を育成することのほうが求められるのではないでしょうか?
しかし、それにもかかわらず、子供の数が減っている今、子供はどんどん「良い子」になっていると思います。子供の数が少ないからこそ、子供に関わる大人が多く、「答え」を教えたり、子供に期待したり、良い子であることを求めてしまうのです。
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