若者に人気「あいつら全員同窓会」どう英訳するか タイトルの英語訳を考えると語彙力が伸びる
一見するとわけがわからない感じですが、歌の中に出てくる主人公が「あいつら」と揶揄している「誰かたち」が、集まって「同窓会」のようなことをしているという意味なのでしょう。ほかの人は排除して、ずっと変わらない仲間内で楽しんでいる……。なんとなくそんなイメージがありますよね?
この英語版は、どんな曲名なのでしょう?
「同窓会」は「reunion」かな?とか考える人もいるかもしれません。そうすると「あいつらは同窓会に行った」は「They go to school reunion」という訳になります。でも、これだと味気がなく、曲のタイトルっぽくないですよね。
「あいつら全員同窓会」を英語で翻訳するために、この言葉を使う状況を考えてみましょう。
僕が想像するのは、ファミレスです。ファミレスに1人で座っていたら、隣の席に座っている学生グループが、くだらない話で盛り上がっている状況です。
隣でわけのわからない話で笑っていたりして、ちょっとうるさくて、なんとなく疎外感を覚えた主人公が「なんだよ、あいつら。同窓会でもやっているのかよ」なんて感じている情景が目に浮かびます。みなさんもそんな経験はありませんか?
これを一言で、英語で表現するとしたら、みなさんはどんなタイトルをつけますか?
正解をお話しすると、英語版のタイトルは「Inside joke」、つまり「内輪ネタ」です。
「内輪で盛り上がれるような冗談」「インサイド(内側・内輪)な空間だけで通じるようなジョーク」という意味になります。これが「あいつら全員同窓会」の英語版タイトルなのです。
腑に落ちると感じる人はどれくらいいるでしょうか? 僕はとてもしっくりきました。くだらない話で盛り上がっている「あいつら」を揶揄している情景を表現する、素晴らしいタイトルだと思います。
そして、この話をわかっていると、「内輪」や、「Inside」という言葉が持つ語彙の広がりを理解できるのではないでしょうか。
「人間失格」英語でどう訳す?
文学作品のタイトルでも、同じく英語タイトルを考えてみましょう。
太宰治の「人間失格」は、世界でどのような英訳がされて販売されているのか、みなさんは知っているでしょうか。
多くの人は知らないと思うので、ここでみなさんに考えてもらいたいと思います。
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