ホンダと開発「アフィーラ」に透けるソニーの意図 アメリカで開催「CES」で最新プロトタイプ披露

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スマートフォンでは、ある電子部品が採用されてから製品として発売されるまでの期間が1年程度と短い。それと異なり、とくに自動車の場合は、採用されてから製品として消費者に届くまで、最短でも3年程度の時間がかかる。安全性や耐久性の担保がより重要視されているからだ。

自動車向けの半導体でソニーは後発。採用実績の積み上げは非常に重要だ。主力の高画素センサーは採用が進んでいるものの、業界トップのアメリカ企業、オンセミの背中はまだ遠い。

その点、ソニー自らが深く関与して開発・設計しているアフィーラでは、社内に蓄積されたセンサー活用のためのノウハウを惜しみなく投入することができる。自動車メーカー各社での採用に向けて、最新のセンサーが市販レベルで実用化されていることをアピールできる格好の場というわけだ。

世界の各種メーカーが相次いで参戦

今年のCESでは、宇宙やゲームなどを含む8つの主要テーマが掲げられているが、なかでも生成AIと自動車テクノロジーが注目を集めている。

例えば、アメリカの半導体大手、エヌビディアも生成AIについての発表と同時に、自動運転に関する技術でも「大きな貢献をしていく」と宣言した。すでに複数の新興EVメーカーがエヌビディアのプラットフォームを採用したと発表しており、注目の度合いはますます高まっている。

ほかにも韓国の電機大手LGが次世代自動車向けの新たな統合プラットフォームを発表。自動車部品などで知られるドイツのボッシュは、電動車向けに自動で充電を行うシステムの開発を公表するなど、関連の発表が相次いでいる。

来場者の心をつかみ、車載分野での知名度を向上できるか。今年のCESでの展示は、日の丸を背負うソニーの半導体事業の行方を占う1つの試金石となりそうだ。

梅垣 勇人 東洋経済 記者

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うめがき はやと / Hayato Umegaki

証券業界を担当後、2023年4月から電機業界担当に。兵庫県生まれ。中学・高校時代をタイと中国で過ごし、2014年に帰国。京都大学経済学部卒業。学生時代には写真部の傍ら学園祭実行委員として暗躍した。休日は書店や家電量販店で新商品をチェックしている。

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