能登で活躍「トイレトレーラー」で見た深刻な現場 上水道が止まり状況は最悪、災害関連死を防げ

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トイレトレーラーの給水タンクには約400リットル以上の水が入り、汚水タンクがいっぱいになるまでに約1250回の使用が可能という。設置場所の状況により異なるが、汚物はまとめてバキュームで吸い上げるか、下水道に落とすなどの方法をとる。

1台のトレーラーに4つの個室が載る。個室スペースは案外ゆったりしていて快適。使用後にペダルを踏んで水を流す。脇に小さなシャワーがついていて、流し足りないところを流せる。手を洗うシンクや鏡もついている。

(左)君津市のトイレトレーラー、(右)内部は脇についている小さなシャワーできれいに保てるようになっている(撮影:河野博子)

照明とポンプに使う電気は、車体上部の太陽光パネルによる太陽光発電で充電可能なバッテリーを電源としている。夜間も明るく、安心して使用できる。

9日時点で、七尾市に京都府亀岡市、山梨県北杜市、大阪府箕面市の3台、能登町に奈良県田原本町、群馬県大泉町、新潟県見附市、群馬県の4台、輪島市に千葉県君津市の1台と、合計8台が設置されている。さらに3~5台が派遣される予定で、現在設置場所などの調整が行われている。

トイレトレーラーを見て「洋式ですか」と喜ぶ

奈良県田原本町のトイレトレーラーは3日午後2時45分に出発し、4日午前11時05分に能登町の能都中学校の避難所に到着した。トレーラーを牽引する免許を持つ田原本町の職員2人が2トントラックに乗り込み、直線距離で450キロ離れた被災地に向かった。

道路は陥没したり、亀裂が入ったりしていたが「スピードを落として慎重に前に進んだ」という。トラックの前と横には「災害派遣車両 奈良県田原本町」と印刷した紙が貼られ、時々電波が途切れるスマートフォンのナビを見ながら進んだ。

地図 トイレトレーラー「みんな元気になるトイレ」が置かれた8か所(助けあいジャパンの情報をもとにごん屋が作成)
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